甲斐さんのニコンF2

H24.4.2 上記修理から約4年が経過した。先日、カメラが壊れたとういう連絡があり、引き取ってきた。もう限界に来ている。ファインダー内部の構造体であるダイキャストの固定部分(4箇所のビスで内部プリズムユニットを支えている)が、もはや1ッ箇所しか生きていない。他は全て破損。割れてしまっている。その他シャッターダイヤル内部も変形していて、破損状態。ボディー底部、裏蓋開放ノブ側ダイキャスト部分も前回(4年前)に破損していたが、さらに破損。この場合の破損とはダイキャストが割れて崩壊状態であるから、普通は直せないので、器材変更、もしくは更新ということで終わるのが正しい。だがしつこく直す、直すというより、機能を保つための処置を施すという感じ。「元通り」は不可能なので、やるだけやってみた。ダイキャストが割れて固定できないならば、固定できそうな別の場所にドリルで穴をあけて、新たにビスで固定する。そのような箇所が今回は4箇所。固定できそうな部分が無い箇所には、別の部品を(アダプター的なもの)作って、固定する。もう限界。これ以上はやめたほうがいい。今回はさすがに諦めて代替カメラを用意しようかと思ったが、「あきらめるな!まだやれる」という声が聞こえてきたというか、可能性が0ゼロとは言えないと思ったのであった。また無駄な時間を使ってしまったかもしれない。

甲斐氏のカメラ・Nikon F
甲斐氏のカメラ・Nikon F

処置が施され、復活したNikonF2。益々地金が出てきて渋くなっている。しかし、実際(甲斐氏が普段使っている状態)はひどく汚なかった。左の写真は私が修理するために、ひたすら汚れを落とし、一応触れる状態にしたものである。まだこれでも、触るとなんだか手に独特のにおいと油のようなものがまとわり着く。ストラップも同様に触るだけで、手に別のものが付着して、何かが残るのがわかる。 アルコールで何度もしごいているのだが、その都度汚れが取れ続けるという状態で、普通では想像できないくらい激しい。これほど使い込まれたカメラが他にあるだろうか?

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